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空き家バンクはどんな制度?物件登録のメリット・デメリットについて

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空き家バンクは、日本で増え続けている空き家問題を解消するために、各地方自治体が実施しています。無料で物件情報を登録することで買い手希望者とのマッチングを図れ、空き家問題解決の一助となる事業です。

 

本稿では、そのような空き家バンクの概要や、利用するメリット・デメリットについて解説します。空き家の処分方法についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

空き家バンクとは?

空き家バンクとは、各地方自治体やその委託を受けた企業が運営する、空き家情報を掲載したWebサイトです。

 

空き家の所有者が所有者が売却・賃貸利用したい物件情報を空き家バンクに登録することで、空き家の利用希望者とのマッチングを図るための事業となります。

 

従来、空き家を売却しようと思えば仲介業者と自分で媒介契約を結び、買い手希望者を探す必要がありました。一般的に、不動産売却では最低でも3ヶ月から半年の期間が必要ですが、スムーズに買い手が見つかるとは限りません。

 

そういった場合に空き家バンクに情報を掲載すれば、別角度から買い手希望者を探すことができます。

 

近年、日本では空き家問題は深刻化しており、経済産業省の「住宅・土地統計調査」によると、2018年時点で846万戸の空き家が存在すると判明しています(1)。

 

空き家バンクは、そのような空き家問題の解決を図って各地方自治体が取り組んでいる事業であり、積極的に活用することは地域貢献にも繋がると言えるでしょう。

 

 空き家バンク利用の流れ

空き家バンク利用の流れとしては、以下の手順で進めます。

 

  1. 空き家情報バンクに登録申請する
  2. 仲介をする宅建業者と媒介契約を結ぶ
  3. 自治体のホームページに物件が掲載される
  4. 入居希望者との売買契約の締結

 

まず、空き家バンクを実施している自治体の市役所で、空き家バンクへの登録に必要な「登録申込書」「登録カード」を入手し、提出します。

 

登録申請が終われば、市の担当者・宅建業者による現地調査が実施され、問題なければ宅建業者と媒介契約を結びます。

 

空き家バンクへの申請が通った場合、自治体のホームページに物件情報が掲載されますので、利用希望者から連絡があるのを待ちましょう。

 

なお、空き家バンクに登録する物件情報としては、以下のようなものがあります。

 

<空き家バンクに掲載する物件情報>

 

  • 物件所在地
  • 売却価格(※売却目的の場合)
  • 構造
  • 面積
  • 築年数
  • 設備
  • 間取り写真

 

 

 空き家バンクと移住系サイトの違い

空き家バンクと地方自治体が運営している「移住系サイト」は事業背景やサイト構築の目的が異なります。空き家バンクは空き家問題の解決そのものを目指している一方で、移住系サイトは地方創生が立ち上げの背景です。

 

そのため、空き家所有者と利用希望者とのマッチングに特化した空き家バンクに対して、移住系サイトは移住に必要なサービス・情報提供を主目的としているという違いがあります。

 

 

空き家活用のメリット

 

 無料で物件を登録できる

基本的に、空き家バンクへの登録は無料で行うことができ、そのまま買い手希望者を探すことができます。

 

不動産業者と媒介契約を結ぶ通常の不動産売却では、買い手探しのための仲介手数料に広告・宣伝費が含まれますので、その分の費用を削減できると言えます。

 

仲介を依頼した場合の広告費についてはケースバイケースですが、例えば「LIFULL HOME’S」では月額1万円の固定費プランがあることも鑑みると、最低でも数万円から十数万円の出費を抑えられる計算となります(2)。

 

 

 空き家バンク利用で受けられる補助制度が多い

現在、日本の各都道府県の地方自治体では、空き家関連の補助制度が多く実施されています。

 

その中には、空き家バンク関連の補助制度も多数存在し、例えば「空き家バンクへ登録する物件の改修工事に必要な費用を一部補助」などの条件で補助が行われています。

 

こういった補助金は空き家所有者のみだけでなく、購入希望者に対して実施されるものもありますので、補助金も併用すればよりスムーズに空き家を売却可能です。

 

補助制度があるのかどうか、ある場合の要件などについては自治体ごとに異なりますので、空き家所在地を管轄する区役所などに問い合わせましょう。

 

 

空き家活用のデメリット

 

 マッチング範囲は自治体の管轄エリアに限られる

空き家バンクを運営しているのは各地方自治体であるため、支援内容や認知度にバラつきがあります。さらには、マッチング対象者は該当する市町村内に在住、あるいは移住予定者に限られる点もネックです。

 

以上の理由から、場合によってはなかなかマッチングを果たせない可能性も考えられます。

 

 仲介業者は選べない可能性が高い交渉は自分で行う必要がある  

空き家バンク利用に際して不動産業者と媒介契約を結ぶ場合、対象となる業者は自治体側が選定するケースも多く存在します。

 

そのため、必ずしも実績のある業者が選ばれるという訳ではなく、むしろ忌憚なく言えば“暇な業者”がされることも想定されるでしょう。

 

 

「空き家バンクへの登録」と「通常の不動産売却」はどちらが良いのか?

前述の通り、空き家バンクを利用する際に媒介契約を結ぶ不動産業者については自分では選べないか、自分自身で交渉を行わなければなりません。

 

そのため、まだ築年数も浅く、高額売却を見込める物件を所有しているなら、空き家バンクの利用ではなく通常の不動産売却を選択した方がいいケースもあります。

 

不動産業者へ支払う仲介手数料についてはほとんどが成功報酬で、売却益によって変動しますので、業者側のモチベーションもより高くなるでしょう。

 

 

全国規模で空き家のマッチングを可能にする「URI・KAI(ウリ・カイ)」

空き家バンクへの登録や通常の不動産売却以外にも、空き家を手放す手段としては「空き家マッチングサイト」の利用も選択肢として存在します。

 

同ブログを運営している「URI・KAI」は、全国の空き家を売りたい人・買いたい人同士を繋げるための空き家マッチングサイトです。

 

基本的にどんな物件でも掲載可能で、物件掲載の際には掲載依頼フォームから連絡をするだけで物件の無料査定を行えます。

 

さらに、マッチングだけでなく「URI・KAI」に直接買取を依頼することも可能です。

 

売買契約書の作成や法的な手続きについても、「URI・KAI」が宅地建物取引士や司法書士とともに全面サポートしてくれますので、不動産売却に関するノウハウがない人でも安心できるでしょう。

 

 

まとめ

空き家バンクは無料で登録可能な空き家の情報掲載サイトで、買い手希望者を手軽に探すことができる手段のひとつです。一方で、空き家バンクはマッチング対象に制限があったり、仲介業者を自分では選べない点が難点です。

 

空き家を売却する際には、物件の資産的価値も考慮し、通常の不動産売却や空き家マッチングサイトの活用も視野に入れるようにしましょう。

 

 

参考:

※1 総務省統計局,「平成30年住宅・土地統計調査」,https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html,(2022/04/12)

※2 LIFULL HOME’S,https://iepota.com/questions/stop-selling.html,(2022/04/12)

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